更新日 : 2014-03-01 16:42:46
フックのような足で体を固定する羽毛ダニ
なにがすごいの?
ウモウダニは体長が1mmに満たないほどの小さいダニの仲間で、多くの鳥の羽毛にフックのような足をつかってくっついて羽毛の中で生きています。
以前ここでご紹介した
土壌や落ち葉で暮らすダニ達のように胴体全体が丸いのではなく、ウモウダニが暮らす鳥の羽毛の種類によって胴体の長さや太さは多種多様です。
ウモウダニの体の頭から先まで長い剛毛があり、胴体からもっとも離れた「ふ節」とよばれる足の部分がフックのような形になっていて、鳥の羽の真ん中の羽軸という太い部分にしっかりと体を固定させ、羽軸から伸びた小羽枝という細い毛の間を動きまわり羽毛や皮膚のくず、羽毛についた油分を食べて生きています。
鳥の羽の形状にぴったりあった形にウモウダニの体も進化し、羽毛に対して最大の接着力を持てるようになったのです。
鳥の数だけウモウダニの種類があり、その形も様々なのです。
どうやって役立てるの?
ウモウダニのように、くっつきたいものの形にしっかりフィットした形状で離れないように二つの物を接着することができます。
自動車の部品や建築方法などに役立てることができるかもしれません。
どんな研究をしているの?
鳥ごとにウモウダニの種類が異なり、また1種類の鳥でも場所によって複数のウモウダニが存在していることもあることが分かりウモウダニは少なく見積もっても約9000種類はあると言われていて、現在はその20%が明らかになっているのにすぎません。
様々な鳥の羽毛から採取したウモウダニの形態が多様であることが観察されています。今後もさらに新しい種のウモウダニが発見されていくことでしょう。
どんな技術開発ができるの?
ウモウダニのように基本的な構造は変えずに、一部を接着する面の構造に最適化し変化させることで最大の接着力を持つ部品を作れるかもしれません。
フックのような足は、鳥のように動くものからも離れないので新しい運搬方法に活かされるかもしれません。
【参考】
・
ウモウダニ
・
鳥便り:寄生虫