オーストラリアの森の4分の3を占めるのがユーカリの樹です。
ユーカリの葉を食べているコアラの姿は、とても愛くるしいものです。
オーストラリアは1年を通してとても乾燥した地域で、山火事が頻繁に起こります。
ユーカリのつぼみは、葉などから作られる成長を抑制する物質により発芽が抑えられています。
山火事の炎によって、葉が焼け落ちることにより、成長を抑制する物質がなくなり、ユーカリのつぼみは発芽します。
火災直後のユーカリの緑の葉は、この新しい後生芽から生産されています。
ユーカリの樹が、生長していく過程でも山火事は発生します。
他の樹木と違って、ユーカリは火事のときも自分を守ることができます。
幹の燃えやすさが、幹の外側の皮(樹皮)と内側にある層(形成層)では異なるのです。
樹皮が非常に燃えやすい性質を持ち、樹皮に火がつくと幹から剥がれ落ちるので、幹の内側まで火が燃え移ることはありません。
樹皮が犠牲となり、形成層とよばれる、樹木にとって大切な部分を守られるのです。
また、ユーカリの根っこの部分には栄養源や、芽の原料を蓄えています。
こうして、火災の後も蓄えられた栄養源により成長し続けることができ、また新しい芽をつけることもできます。