心臓は私たちが寝ている間も、休むことなくドキドキ動いています。
それは血液を体中に送るためです。
血液は私達の体に必要なものを運んだり、不要となったものを回収したりするために、体中をグルグルまわっています。
私たちが元気に生活するためには、血液がうまく流れることがとても大切です。
心臓は、いつも同じ力で血液を体に送り出すためのポンプなのです。
ヒトの心臓は特に寿命が長く、平均寿命の間に250万回鼓動を打ちます。
ヒトの心臓は4つの部屋に分かれています。
それぞれ、右心房(右上)、右心室(右下)、左心房(左上)、左心室(左下)という名前が付いています。
ちなみに、魚の心臓はヒトの半分、心室・心房それぞれ一つずつでできています。
体からの血液が心臓に流れてくると、まず右心室に入り、それから右心房を通り、肺動脈という血管を使って肺に流れます。
肺から出てきた血液は肺静脈という血管を通って心臓に戻ってきて、左心室、左心房と流れ、また体全体に流れていきます。
血液を送り出す心室の間の壁は厚く、血液を受け取る心房の間にある壁の壁は薄くできています。
血液の流れは、心室の出入口にある「弁」により調節されています。弁とは一方通行の扉のようなものです。
心房に血液が集まってくると弁を押す力が強くなり、弁が開いて心室に血液が流れます。
弁は心室の方から開かないようになっており、血液が逆流することはありません。
この弁のおかげで、血液はいつも同じ方向に流れることができます。
聴診器をあてた時にドキドキ聞こえるのは、心臓が血液を送り出す時に弁が閉じる音です。
また、走ると心臓は普段よりドキドキしますね。
それは運動をすることで血液の流れる量が増え、その分だけ心臓も激しく動いて血圧が上がるからです。
心臓はその状況によって動きを変化させ、どんな時でも血液がうまく流れるようにコントロールできる、すごいポンプなのです。
心臓のように、状況によって動きを変えることができるポンプは、工場などいつも同じように機械を動かさなければならないところに必要です。
何かトラブルがあって機械の温度や圧力などが大きく変わってしまうと、物が流れる管や他の機械にまでいつも以上の力がかかってしまうことがあります。
しかし心臓ポンプなら、急な変化に反応して動きを変え、トラブルを最小限におさえることができるでしょう。
心臓ポンプはより安心して機械を使うための技術開発に役立つのです。
【参考】
・
ターボ機械協会 : ポンプ
・
心臓の構造と機能|ビジュアル生理学
・
人工心臓 | サイバニクス・グループ:山海研究室