更新日 : 2013-10-13 09:02:01
びっしりと並ぶヒマワリの種
なにがすごいの?
種がびっしり詰まっているヒマワリの花(頭花)を観察したことはありますか?
よ~く見てみると、種が中心から外に向かってらせん状に並んでおり、どのヒマワリも配列は、
①左回りに21列、右回りに34列
②左回りに34列、右回りに55列
③左回りに55列、右回りに89列
のどれかの組み合わせになります。
ヒマワリはいちいち種の数を計算して並べているのでしょうか?
この秘密の鍵を握っているのがフィボナッチ数と呼ばれる法則です。
ヒマワリの新しい種は、中心から外側に押しながら生まれます。
そしてフィボナビッチ数に従う事(前の2つの数に等しい)で種は真ん中だけがびっしりなっていたり、外側だけがはげた状態にもならず、平均的に隙間なく、ヒマワリの顔の部分の面積に最大限詰められているのです。
この不思議な法則は、ヒマワリ以外にも、植物の葉や花びらの付き方,木の枝分かれ,更には台風の渦の形など自然界に沢山隠れているのです。
どうやって役立てるの?
フィボナッチ数の歴史はとても古く、12世紀から13世紀にかけてイタリアで活躍した数学者レオナルド・フィボナッチが発見したということでこの名前が使われました。
フィボナッチ数を用いて、ヒマワリの種の配列のように、ある面積を最大限に活用することができます。
例えば、空間を有効に使わなければならないビル・オフィスのスペース最適化やパッケージングに役立つでしょう。
また、フィボナッチ数によって表現される自然の美しい形は、CGなどの芸術の世界でも見ることができます。
どんな技術開発ができるの?
アメリカの水栓メーカーはフィボナッチ数の法則を利用して、エコシャワーヘッドを開発しました。
吐水面にある水の出る穴の配列をひまわりの種の配列と同じにすることで、びっしりと配列された穴から水が均一に分布、流下します。
この新しいシャワーヘッドは、水圧の低いところでも役立つでしょう。
また、びっしりと配列された穴から出る水はきめ細かいので、水圧を嫌がるペットを洗うときや発芽後の幼苗の灌水などにぴったりです。
【参考】
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不思議な数列・美しい比と植物2
・
第7回・フィボナッチ数列と黄金比 | 教育開発ONLINE