更新日 : 2013-05-25 07:53:57

カレーのスパイス「ウコン」でがん治療

なにがすごいの?

カレーに含まれるスパイスで「黄色」という意味をもつ「ウコン」は多年草の植物で、インドなどの熱帯アジアを原産とします。
ウコンの地下に育っている球根は栄養をいっぱい蓄えていて、この部分を細かく砕いてカレーに使われます。
また、沖縄の人々は煎じて「うっちん茶」として飲用する習慣があります。

この黄色の色素成分は「クルクミン」と呼ばれていて、たくわんなどの着色料としても使われてきました。
この「クルクミン」という物質は、肝臓や胃の機能を改善するだけでなく、がん細胞の増殖をおさえる効果があることが明らかになりました。
古来から、ウコンの球根を食用してきた人々は「ウコン」の様々な薬効を知っていたかのようですね。

どうやって役立てるの?

ウコンに含まれるクルクミンという物質を効果的に摂取できるようになれば、あたらしいがん治療の薬として使えるかもしれません。

どんな研究をしているの?

実験室でがん細胞を培養し、「クルクミン」を投与することでがん細胞の増殖が抑えられることが確かめられています。
しかしクルクミンを大量に口から摂取しても実際には体にはあまり吸収されないことも分かりました。
クルクミンの構造は水やお湯に溶けない性質(油にだけ溶ける性質)を持っているのです。
吸収されやすいクルクミンの化学的な構造に似た物質群の合成研究が進んでいます。

どんな技術開発ができるの?

クルクミンを溶かす物質の開発や摂取方法の研究が進めば、がん治療の薬として開発されるかもしれません。
またクルクミンにはアルツハイマー病の予防にも効果があることがマウスを用いた実験で明らかになり、クルクミンの様々な効果が明らかになり医療現場での有用性が期待されています。

【参考】
Chemoprevention Database Colorectal Cancer Prevention(英語)
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