更新日 : 2012-12-11 17:35:40
毛虫の兄弟が作る防水テント
なにがすごいの?
オビカレハの毛虫は梅の木につくことから梅毛虫、またはテントのような巣を木につくることから天幕毛虫と呼ばれています。
この毛虫は孵化するとすぐに、兄弟の毛虫たちが共同して糸を紡ぎだし、木の垂直方向に自分達が住むのに十分な大きさのテントを作ります。
彼らは、毎日糸を加えることで前日とは別の層が作られ、多層構造のテントが出来上がりグリーンハウスのようにテントの中は太陽の光を集め毛虫の体温を30から35度に維持します。
またこのテントは防水性で、雨や殺虫剤のスプレーなども跳ね返し身を守ることができます。
天幕毛虫の作るテントは防水で、日光を集める安全な住まいなのです。
どうやって役立てるの?
天幕毛虫の作るテントの構造は、建物内の温度を快適に保つような設計に役立てることができるかもしれません。
どんな研究をしているの?
天幕毛虫は体温を上げるために太陽に最も近いテントの壁面に体を押し付け、体温を下げるときにはテントの中央に移動することが観察されました。
さらに体温を下げたいときには、太陽の影となっているテントの部分から宙吊りになり風によって体を冷やしているようです。
テントをうまく利用した行動によって毛虫は体温調節をしていることが分かりました。
どんな技術開発ができるの?
天幕毛虫が作り出す糸の成分を解明できれば、新しいシルクのような強く防水性の素材開発に役立てることができるかもしれません。