更新日 : 2012-12-04 16:48:21
おしゃれなカニは隠れ上手
なにがすごいの?
モクズショイ(漢字では藻屑背負い)、英語名は「Decorator crab」(飾りつけるカニ)という名前をもつ変わったカニがいます。
色とりどりのカイメン(海綿動物)や藻類のクズを自分の体にくっつけて外敵から姿が岩などに見えるようにカモフラージュするのです。
くっつけるときは以前ここでご紹介した
フジツボや
ムール貝のような接着剤は使わずに甲羅の表面に生えているかぎ状に曲がった毛にスポンジ状のカイメンや藻をひっかけて装飾します。
モクズショイにとってはカモフラージュの効果だけではなく、貝殻をつけたときには太陽から身を守り、カイメンをつけたときは体を大きく見せることができるのです。
どうやって役立てるの?
モクズショイは海底のゴミを背負うこともあり、掃除上手です。
カーペットの掃除などの新しいデザインの開発に役立つかもしれません。
どんな研究をしているの?
実はモクズショイは水槽の中でも何かを背負ってカモフラージュするという性質は変わらないことが分かりました。
藻をとってしまうと、ちょっとした砂利さえも背中にくっつけます。
どのようにモクズショイが藻を体につけるとか毛糸をつかって実験してみると、まずはハサミで毛糸をつかみ足にこすりつけ、体中にたくさん生えている硬くて細いかぎ状になっている毛先に引っ掛けていき、毛糸だらけになった姿が見られました。
また水槽の中でタコと一緒にモクズショイをいれても食べられなかったという実験結果もあり、カモフラージュの効果はあるようです。
また脱皮のたびにこデコレーション作業が行われ、藻屑やカイメンなどは再利用していることも分かりました。
どんな技術開発ができるの?
私たちの新しい衣類の開発ができるかもしれません。
汗を吸収し、洗濯可能な長袖Tシャツに季節ごとに好きな素材、色のものをマジックテープのように貼っておしゃれを楽しみ、温度の変化に対応することができます。
今までのように多くの衣類を持たなくても1年を過ごすことができるかもしれません。