更新日 : 2014-02-13 08:34:40
カテゴリー : 機能カテゴリーアイコン 防御・安定 用途カテゴリーアイコン 繊維

ブランコ毛虫の体温調節法

なにがすごいの?

マイマイガの幼虫は以前ここでご紹介した集団で生活する天幕毛虫とは異なり、糸を出して風に吹かれてとんでいき枝や葉などにぶらさがって生活することから「ブランコ毛虫」と呼ばれています。

ブランコ毛虫は体長7cmほどまで成長し、背中と体の横に短くて硬い棘のような剛毛があり体の横には長い柔らかい毛も生えているのが特徴的です。
ブランコ毛虫はその剛毛と、体の位置をブランコのように揺られて変えることにより暑い紫外線の強い日も、風が強くて寒い日も野外で体温を維持することができます。

私たち人間とは違い、毛虫は体内では外の温度に対応できる構造はもっていません。
しかし、体についている剛毛で風から身を守り、太陽の差す角度に合わせて体の向きを調整することで囲の温度が変わっても自分の体温を維持することができるのです。


どうやって役立てるの?

ブランコ毛虫のシンプルな構造で温度制御するシステムは建物の外壁デザインに役立てられるかもしれません。

どんな研究をしているの?

ブランコ毛虫の剛毛は毛虫が日射などから吸収できる放射熱の量を変えずに周囲との対流交換率を減らすことが分かりました。

また異なる種類の毛を持つことで、気候のわずかな違いにも対応できると言われています。
ブランコ毛虫が熱を出ている方向に対して垂直や平行など様々な角度に姿勢を変えることにより、剛毛の断熱の効果を最大にすることも全く打ち消してしまうこともできるのです。

どんな技術開発ができるの?

重ね着で調節しなくても、暑さや寒さを感じさせないような新しい合成繊維の開発に活かされるかもしれません。
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