更新日 : 2012-11-24 20:40:47
クリーンなエネルギーをつくる植物
なにがすごいの?
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Fabelfroh 11/8/2006 ライセンス:GFDL
植物は水と空気、そして太陽の光をエネルギー源に成長し、花を咲かせ、実をつけます。
植物が太陽の光と、水、二酸化炭素から養分と酸素を作り出すことを光合成といいます。
光合成おこなう生物は植物だけで、植物以外の地球上の殆ど全ての生物が光合成の生成するエネルギーに頼って生きていると言っても過言ではありません。
この光合成を行っているのは、植物の細胞の中にある緑色の小さな粒の葉緑体です。
葉緑体内にはチラコイド膜があり、ここには、太陽の光をエネルギーへと変えるクロロフィル色素(または葉緑素)が無数に存在します。
クロロフィル色素は光を集めるアンテナの役割をするものと光を化学エネルギーへ変えて伝達するものと役割が分担されています。
ここで太陽の光が化学エネルギーへと変換されます。
そして、チラコイド膜でつくられた化学エネルギーは、水を分解して酸素を作り出すのです。
どうやって役立てるの?
太陽光を吸収して電気エネルギーに変換する光合成をヒントに、新しい仕組みでエネルギーを作る太陽電池が開発できるでしょう。
現在、一般家庭に普及しつつある太陽電池には、光を集めてエネルギーを取り出す材料にシリコン半導体が使われています。
シリコンの製造・加工には大がかりな製造設備と大量のエネルギーが必要なので、できた半導体の価格が高くなってしまいます。
そこでシリコンを材料としない色素増感型太陽電池の開発が注目されています。
色素増感太陽電池は合成が比較的簡単で、大量生産ができるので、価格を安く抑えることができます。
どんな研究をしているの?
1991年にスイスの研究者、グレッツェルは、色素を吸着する酸化チタンを材料とした新しい仕組みの太陽電池を発案しました。
クロロフィルが分担して行っていた二つの作業(光を集める、電子を放出する)を、酸化チタンの表面に吸着した色素が行うため、色素増感太陽電池と呼ばれています。
さらに、グレッツェルは変換効率(太陽エネルギーから化学エネルギーへと変える値)を上げるために、チラコイドをつくるラメラ構造を真似て、酸化チタンを無数の穴のある形にしました。
こうすることで、表面積が広くなり、発電効率を高めることができました。
どんな技術開発ができるの?
植物の光合成をヒントにグレッツェルが効率のよい素材の組み合わせを発見して以来、色素増感型太陽電池は注目を集めており、色々な素材で開発が進められています。
チラコイド膜のように電池内部にエネルギーをためる膜構造を組み込めば、シリコンでは出来なかった蓄電も可能となります。
これによって軽量化が可能となり、パソコンや携帯のバッテリーとして利用することができるでしょう。
また、最近の開発では、薄いフィルムを使用することで、手でも曲げられる柔軟な太陽電池を作ることが可能となりました。
衣類やバックに貼り付けることが可能な携帯型太陽電池も夢ではありませんね。
【参考】
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色素増感太陽電池 実験キット (PEC-TOM02) /ペクセル・テクノロジーズ
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Photosynthesis: Cooke's koki'o - Ask Nature - the Biomimicry Design Portal: biomimetics, architecture, biology, innovation inspired by nature, industrial design(英語)
・Campbell, Neil A.; Reece, Jane B. 2004. Biology. Benjamin Cummings.
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色素増感太陽電池
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チラコイド膜 アニメ(要プラグイン)