更新日 : 2014-01-18 08:28:02

筋肉で吸い付くミズダコの吸盤

なにがすごいの?

ミズダコは日本の東北地方やカナダ、北アメリカ沿岸部に広く生息している世界最大のタコで40kgにもなります。

私たちが普段食べているマダコに比べて皮膚や肉質がとても柔らかいのが特徴です。

実はミズダコの皮膚の内部はたくさんの筋肉の層で構成されています。
吸盤内に放射状に広がる筋肉、吸盤の円周状に走る円形の筋肉、それらに垂直に交わる縦方向の筋肉の3種類の筋肉が存在し、とても柔軟で様々な動きを可能にします。

主な役割を果たしている吸盤内の放射状の筋肉が収縮して吸盤内部を真空状態にすることで吸盤は岩に強く吸着したり、獲物を捕らえたりすることができます。


どうやって役立てるの?

タコも海水中で物に接着する力をもつので、水分がある状態での容器や貯水槽の密閉をするための方法に役立つかもしれません。

どんな研究をしているの?

タコの3種類の筋肉は拮抗的に働くと考えられています。
吸盤の放射状の筋肉が収縮するときには、他の円形の筋肉や縦方向の筋肉も体積を維持しようと伸縮するために吸盤の壁は薄くなり、吸盤内の体積が増大します。その結果、吸盤内の圧力と周りの水の圧力に違いが発生し、吸盤内が真空状態になり吸盤の接着力が生まれることが分かりました。

またこの吸着力を維持するために吸盤は脱皮して、新しい状態を保っていることも分かりました。

どんな技術開発ができるの?

カーペットやフローリングを接着するのではなく、吸引力で床に敷けるようになれば今までは使えなかった水気の多い場所にもカーペットを敷けるようになるかもしれません。

【参考】
タコ[せとうちネット]
The Kier Lab(英語)

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