更新日 : 2012-11-24 17:31:53
ジャイアントセコイアの長生きの秘訣は山火事
なにがすごいの?
アメリカのカリフォルニア州にあるシエラネバダ山脈にはジャイアントセコイアという世界最大の巨樹の森があります。
ジャイアントセコイアは平均して2000年から3000年という想像もできないような長い期間を地球上で生き延びます。
ジャイアントセコイアは頻繁に起こる山火事から、50cm以上の厚い樹皮で火が重要な形成層に燃え移るのを防止し、低い位置の小枝は離層を形成し自ら切り落ちて火が大きくなるのを防ぎます。
さらにジャイアントセコイアはこうして火に対抗して生き延びるだけではなく、次世代の育成に山火事を利用します。
松ぼっくりのような球果に貯蔵されていた種は、山火事のときに一気に放出されます。
種は山火事のあとのミネラルが豊富な灰に根を張り、火事でできた林冠(森林の上層部)の隙間から差しこむ太陽の光を浴びて新しい世代の森が成長します。
ジャイアントセコイアや火事に耐えるだけでなく、次世代の森を繁栄させる種まきのチャンスとして山火事を利用しているのです。
どうやって役立てるの?
ビルの新しい防火システムや、難燃剤の開発に活かされるかも知れません。
どんな研究をしているの?
ジャイアントセコイアの樹液は粘性がなく水溶性で、燃えにくい性質を持っていることが分かりました。
また樹液は腐食を防ぐ性質を持つタンニンを多く含んでいて病害虫に強く、ジャイアントセコイアは倒れてから何百年も原形を保つことができると考えられます。
どんな技術開発ができるの?
火災が起きたときに、様々な対策を同時にとる新しい防火メカニズムの開発が期待できます。
耐火だけではなく、火事で放出されたエネルギーを生ごみや下水処理に役立たせることができたら火事は新しいエネルギー源にもなるかもしれません。
【参考】
セコイア国立公園の巨樹古木