更新日 : 2013-10-10 07:35:11
魚のスーパーセンサーに学ぶ無事故社会
なにがすごいの?
水族館やテレビの映像などで魚の群れがぶつからずにいっせいに方向を変えるのを見たことがあるでしょう。
どうして魚はぶつかり合わずに泳ぐことができるのでしょうか。
実は、体の両横中央に頭から尾ビレまで通っている一本の線に秘密があります。
この線を側線(側線)といいますが、魚ではこの側線が触覚と聴覚の働きをもっています。この部分でわずかな水の動きや音を感じとることで周囲の変化をとらえ、となりの魚との距離を知ることが出来るのです。
どうやって役立てるの?
右へ左へとお互いの距離を一定に保ったまま群れを形づくって移動する魚に学んで、高性能センサーや集団制御システムを開発することにより、交通事故ゼロの社会も可能に?
どんな研究をしているの?
側線上には中央に穴の空いた鱗が一列に並んでいます。
これらの穴は裏側に通じて長い管になり、この管の中には粘液が充ちていて、外からの刺激が中にある細かい毛を持った感覚細胞に伝達されるしくみになっています。
どんな技術開発ができるの?
最先端の通信技術やIT技術を利用して、事故や渋滞を防ぐ高度道路交通システム(ITS)が盛んに研究されています。
微妙な水圧の変化をキャッチする魚の側線は、自然界の高性能センサーとして優れているばかりでなく、魚の個体が入力信号を処理するアルゴリズムと魚の群れとしての行動の関係にも興味が持たれます。