更新日 : 2013-11-10 07:17:24
雪の朝の静けさ
なにがすごいの?
降り積もった雪は音を吸収することが知られています。
雪は、顕微鏡で覗くと右の写真のようなきれいな結晶になっていて、雪と雪の間にある小さなすき間に音が吸収されると考えられています。
条件によっては80%以上の音を吸収することさえあります。
新雪は特に音波の吸収特性が優れているため、降雪後数時間は人間の耳にも知覚できるほど周囲の音が違って聞こえます。
ところが、昼夜の温度変化により雪が溶けたり固まったりしながらだんだん硬くなると、隙間が埋まって吸音特性が失われます。
雪の驚くべき吸音効果は、単に結晶の隙間に空気があるためばかりでなく、雪の結晶の神秘的な形にも秘密があるのかもしれません。
どうやって役立てるの?
私たちの身の回りの電気製品や自動車などには、騒音や振動を抑えるための様々な工夫がされていますが、雪の結晶が80%もの音を吸収する仕組みは将来こうしたところに利用できるヒントが隠されているかもしれません。
【参考】
・Krouse J., “Sound and snow”, SOUND AND VIBRATION 37 (12): 14-17 DEC 2003