更新日 : 2013-10-02 07:43:20
闇夜の狩人フクロウに学ぶ消音技術
なにがすごいの?
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idaeus
フクロウは鳥類では珍しく夜行性の動物です。
闇夜にまぎれて音もなく木から舞い降り、鋭いつめで野ネズミやウサギにおそいかかります。
鳥の中でフクロウが最も静かに飛べるとも言われています。
フクロウが音を立てずに飛ベるのは、翼の羽に秘密があります。
翼の前のふちに生えている「風切り羽」に普通の鳥にはない小さなギザギザがたくさんついていて、このギザギザが空気の抵抗を減らす役割を持っているので、空中で音がしないのです。
どうやって役立てるの?
自動車や電車が出す騒音には、エンジンや車輪の音ももちろんありますが、乗り物と空気がぶつかって起きる音も無視できません。
高速で走れば走るほど、空気抵抗による騒音は大きくなります。
フクロウの静かに飛ぶ技術に学べば、乗り物の騒音を減らすことができます。
どんな研究をしているの?
空気抵抗による音は、空気と物体がぶつかって空気の流れに渦(うず)ができることによって発生します。
滑らかな風切り羽の場合は翼全体の周りに大きな渦ができますが、ギザギザをつけておくと、ギザギザの周りに小さな渦が多数発生し、大きな渦の発生を妨げることがわかっています。
どんな技術開発ができるの?
ギザギザのついたパンタグラフを採用することで、新幹線が騒音をおさえて時速300キロメートルで走行できるようになりました。
【参考】
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カワセミと500系新幹線電車 | 野鳥を楽しむポータルサイト BIRD FAN | 日本野鳥の会