家の柱を食い荒らすことから悪名高いシロアリ。
シロアリは家などの木材が大好物です。
彼らは、木や落ち葉などに含まれる「セルロース」を栄養源にすることができるのです。
多くの動物はセルロースを栄養にすることができません。
私達人間も、野菜に含まれるセルロースを消化することができず、そのまま体の外へ出してしまっています。
どうしてシロアリはそんなものを食べられるのでしょう?
実は、シロアリはセルロースを消化できる微生物をお腹の中に住まわせています。
お腹の中の微生物に助けてもらいながら、消化しにくいセルロースを消化し、栄養源としているのです。
ちなみに、同じシロアリの仲間でもお腹の中にこのような微生物を持たないものもいます。
こちらはなんと、きのこに手助けしてもらっています。
彼らは自分が食べる前に、えさの上にきのこ畑をつくります(きのこも、セルロースを消化することができるのです)。
きのこにえさの中のセルロースをある程度消化してもらって、食べやすくなったところで自分が食べて栄養源にしているのです。
シロアリから、セルロースを消化して栄養にする方法を学べば、セルロースから食べ物やエネルギーを作ることができます。
シロアリに共生する微生物がセルロースを分解する過程では、シロアリが吸収する酢酸のほかに、副産物として水素や二酸化炭素が作られることがわかっています。
田口文章さん(北里大学名誉教授)のシロアリの腸内微生物を利用した水素発生に関する研究をもとに、生ゴミから水素を生成する技術の開発が進められています。
【参考】
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理科好き子供の広場
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シロアリ腸内共生系の高効率木質バイオマス糖化酵素を網羅的に解析 | 理化学研究所
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Forest Biological Chemistry |森林生物化学研究室| 応用生命化学科 - 近畿大学 農学部 - Kinki University Faculty of Agriculture