更新日 : 2013-09-22 07:52:19

くっついたら剥がれない!?自然界の超強力接着剤

なにがすごいの?

くっついたら剥がれない!?自然界の超強力接着剤-「なにがすごいの?」画像
(C) Yves Brun、Courtesy of Indiana University
『接着剤』と言うと、皆さんはいったいどんなものを思い浮かべるでしょうか?
糊やボンドなど色々なものがありますが、このような人工のもの以外に、自然界にも接着剤は存在します。

川の岩場や水道管の中などに住んでいるカウロバクタークレセンタスという細菌は、尾のように伸びた体の部分にとても強力な接着部を持っています。
この接着部は水中でも接着することが可能で、現在最も強力と言われているアクリル系接着剤の2倍以上の接着力を持っています。
なんと、1平方センチメートルあたり680キログラムほど、10円玉ほどの面積があれば車を4台も吊るせるほどの接着力です。

また人体に対する毒性がないという特徴も持っています。

どうやって役立てるの?

くっついたら剥がれない!?自然界の超強力接着剤-「どうやって役立てるの?」画像
(C) Yves Brun、Courtesy of Indiana University
従来の接着剤よりも強力なものをつくることができ、また、水中でも使用することができるので様々な用途で使用することができます。

さらに、生体に無毒なため、外科手術の際など傷を塞ぐときに活用することができるかもしれません。

どんな研究をしているの?

カウロバクタークレセンタスの個体がもつ接着力はおよそ0.59マイクロニュートンであり、この強力な接着力の発現には、接着部にある多糖類の分子が重要な役割を果たしていることが分かりました。

しかし、接着力が強力すぎるために1度接着すると剥がすことができず、この強力な接着を剥がす方法を発見することが課題となっています。

【参考】
・PNAS vol.103, April 11,2006, pp 5764-5768

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