カブトムシの幼虫は、腐葉土を餌として食べて成長します。
この腐葉土の中には、カビや目には見えない小さな細菌がたくさんいます。
でも、カブトムシの幼虫は腐葉土の中で病気にかかったりはしないのです。
どうやって、彼らはカビや細菌類の影響を受けずに成長することができるのでしょうか?
その秘密は、幼虫の体内で作られる抗菌性タンパク質「ディフェンシン」にあります。
ディフェンシンは細菌の細胞膜を溶かし、細菌を殺してしまう作用を持っています。
カブトムシの幼虫は、細菌に感染しないようこのディフェンシンを分泌して自分の身を守っていたのです。
MRSAは従来の抗生物質が効かない菌なので、病院では集団感染の原因となっています。
患者さんたちは、免疫力が衰えているのでMRSAに感染しやすくなってしまうのです。
ディフェンシンが薬として実用化されれば、院内感染の問題が解決できるでしょう。
他にも、水虫の新しい薬の開発も期待できます。
【参考】
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生物研(農業生物資源研究所)|平成10年度 研究成果情報(蚕糸・昆虫農業技術研究所)|菌蛋白質カブトムシディフェンシンの蛋白質工学的改変