(C)
アーチャーン
昆虫の目をよく見ると、小さな粒がたくさんあるのが分かります。
昆虫の目は複眼と呼ばれ、個眼という小さな目がドームのように組み合わされてできているのです。
例えばトンボの複眼は1万個以上の個眼でできています。
左右一つずつしか目がない人間とは違って、小さな昆虫たち目には、さらに小さなたくさんの眼が集まって出来ているのです。
個眼の表面には小網膜という、私たちの角膜に似た光を集める膜がついています。
まず目が外から光を受け取ると、この膜は周りの小網膜の細胞(6~10個)へ光を映し出します。
それぞれの個眼には隣の個眼とは違う光が入るので、個眼を合わせた複眼では個眼の数が多いほど広い範囲が見えます。
その結果、例えばトンボの複眼は360度見えるので、餌を採ったり、敵を早く発見することができます。
また、個眼はそれぞれ五角形・六角形・七角形・円柱のような様々な形で隙間なく並び複眼を構成しています。
広い範囲を見ることができる複眼カメラは、自動車など乗り物の安全技術や、より小さな複眼カメラによる内視鏡などの医療技術の開発に役立ちます。
強さについては、建物の耐震技術はもちろん、小さな材料を使う精密機器などにも、複眼と同じ形の部品を使うことによって壊れにくくなるような技術開発ができると考えられます。
【参考】
・
コンピュテーショナルイメージング