南米原産のオニオオハシは、全長の3分の1も占めるくらい大きくて鮮やかな色をしたクチバシが特徴です。
こんなに大きいクチバシですが、重さは10円玉3枚分(およそ15グラム)と非常に軽く、鳥の体重のたった20分の1でしかないので、飛ぶ事には全く支障がありません。
また、軽くても、クチバシは餌をついばんだり身を守ったりするのに十分な堅さを持っています。
軽量化と強度という、相反する2つの要素を兼ね備えたオニオオハシのクチバシの秘密はどこにあるのでしょうか?
それはクチバシの構造が持つ3つの特徴にあります。
1つ目は、クチバシの中が中空になっていることで、クチバシ全体鯛が軽量化されていることです。
2つ目は、クチバシの外側を形作るシェル層のつくりです。
このシェル層は、ケラチンというタンパク質の六角形状の薄板が重なり合ってできています。
ちょうど段ボール板を何枚も重ねてサンドイッチ状の構造を作ることで、全体の強度を保っているのです。
3つ目は、シェル層の内側に発泡構造と呼ばれるハニカム構造(蜂の巣のように6角形が並んだ構造)を持っていることです。
このハニカム構造は、カルシウムに富んだ非常に堅いケラチンの繊維の支柱が、中空を囲むように6角形を作ることによってできています。
これにより、クチバシの密度を下げて重量を軽くすると同時に、強度を保つよう内側から支えているのです。
サンドイッチ構造と発泡構造を上手く使い分けることで、オニオオハシはクチバシの軽量化と強度の維持を実現していたのです。
(C)
Seki, Y., et al., 2005, Structure and mechanical behavior of a toucan beak. Acta Materialia, vol. 53, p. 5281–5296を改変
衝突事故から搭乗者を守る自動車のパネルや、超軽量飛行機の翼や機体の構造として役立てることができます。
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Seki, Y., et al., 2005, Structure and mechanical behavior of a toucan beak. Acta Materialia, vol. 53, p. 5281–5296
コンピューターを使った計算から、オニオオハシのクチバシが、その軽さにも関わらずとても頑丈であることが確かめられました。