(C)
Algaebase.org
キッチンの流し台やお風呂場で、ぬるぬるしたぬめりを掃除したことはありませんか?
この「ぬめり」は、様々な菌がたくさん集まってできたもので、バイオフィルムと呼ばれています。
掃除せずそのままにしておくと、やがて硬い膜となって強力にこびりつき、簡単には取れなくなってしまいます。
また、バイオフィルムが毒性を持った時は、人や動物の病気の原因になることもあります。
ところが、海藻の仲間には、掃除をしなくても殆どバイオフィルムが付かないものがいます。
その仕組みは、海藻がフラノンという化学物質を分泌して、自分の体にバクテリアが集まってバイオフィルムができるのを阻害しているのです。
バクテリアは、バイオフィルムを作る時に仲間同士の間である化学物質を出し合い、「集まってコロニーを作ろう!」という情報を交換します。
フラノンには、この情報交換を阻害する働きがあり、それによってバクテリアは集まることができなくなるのです。
菌の繁殖を抑える仕組みを備えた海藻は、掃除が必要ない上に清潔で健康なのです。
パイプや容器にフラノンを応用してバクテリアが繁殖しないようにすることが出来れば、パイプや容器はもちろん、中の気体や液体も清潔に保つことができます。
水周りは雑菌が繁殖しやすい環境なので、菌の抑制技術は、飲料や歯科・医療分野などで役立つことが期待されています。