更新日 : 2013-07-02 12:04:46

バラバラに落ちても可憐な落ち葉のカーペット

なにがすごいの?

並木道を歩くと、木々の色づきや、踏み心地のいい落ち葉のサクサクとした響き、秋に包まれますね。
そして、まるでカーペットのように敷き詰められた落ち葉には魅了されることも度々です。

落ち葉の一枚一枚は、微妙に違うのに違和感を感じることはありません。
もちろん決められた模様ではないので、風に吹かれて落ち葉の向きが多少変わっても、このカーペットは変わらず綺麗です。

落ち葉をよく見てみると、黄色から茶色、濃い赤茶色まで色とりどりです。
もちろん中には、裏返っている葉っぱもあります。
また、葉っぱの形、大きさもよく見ると違います。
小さい葉っぱから大きい葉っぱまで、重なり合って落ち葉のカーペットになっています。

色の濃淡(グラデーション)や、1つ1つの大きさが違う葉っぱのカーペットは、どこまでも広がっている訳でも、また広がりが小さかったり色々な形を持っています。
自然のカーペットには、方向性や大きさといった決まりはないのです。
それでも私たちは、落ち葉のカーペットをきれいだなと感じることが出来ます。
それは実は色や形がランダムであるからなのです。

どうやって役立てるの?

可憐な日本の落ち葉のカーペット
(C) Momoko Minakawa
無造作に敷き詰められた落ち葉のパターンをデザインとして取り入れれば、自然で綺麗なデザインができます。

また今までのカーペットの柄は規則的なパターンの模様なので、一カ所でも汚れるととても目立ってしまい、カーペットを交換する必要がありました。

しかし、落ち葉のようなデザインのカーペットならば、どこかが汚れても全体的には目立ちにくいのです。

どんな研究をしているの?

バラバラに落ちても可憐な落ち葉のカーペット-「どんな研究をしているの?」画像
落ち葉のデザインから新しいカーペットの貼り方が研究されました。

一般的に学校や会社で使われている「タイルカーペット」は、50cm程の正方形を何枚も決まった方向に貼り付けて敷き詰めます。
しかし、柄を揃えるために色や方向性が決まってしまうので、しみや傷がついた時には、すべてを取り替える必要がありました。

そこで、ある会社では、「ランダム貼り」という新しいカーペットの貼り方を考えました。
自然で綺麗な落ち葉のデザインを取り入れた貼り方は、方向や形、柄の組み合わせを自由に変えて、床に敷き詰めることができます。

必要な場所に、必要な分のカーペットをしけるのです。
ランダム貼りは、しみや傷がついたときも、その部分の正方形だけを取り替えるだけで済みますし、そもそも汚れがとても目立ちにくくなります。
むろんカーペットが石油を原料にしている場合は、その原料の削減にもなります。

どんな技術開発ができるの?

ビルの壁や、部屋の壁紙などのインテリアに応用することができるでしょう。

自然と調和した落ち着くデザインであるだけでなく汚れが目立ちにくく、汚れたり損傷したりした部分だけを交換することで、長く使えるようになります。
また、自分で簡単に「修理する」楽しさを味わうことができます。

【参考】
Interface Japan | Product Catalogue

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